【気まぐれ感想】2020年はケムール人の年。【ウルトラQ】
こんばんは、もち太郎です。
昨日から2020年が始まりましたね。
2020年というと、皆さんは何を思い浮かべますか?…このくだり、すっかりお馴染みになりましたね。文章の書き出しに使い易くて、自然に本題に入れるから便利なんですけど、使い過ぎるとワンパターン化して読者に飽きられますね。
まあ良いや。
大体の人が「東京オリンピック」を思い浮かべるでしょうか。
でも特撮ファンの僕としては、2020年といえばやっぱり『ウルトラQ』第19話「2020年の挑戦」を想起せずにはいられません。
そもそもケムール人とはナンジャラホ?という方の為に、まずはケムール人が登場する「2020年の挑戦」のあらすじをサーッとご紹介しましょう。
あらすじ
第19話(製作№22話)「2020年の挑戦」1966年5月8日放送
脚本:金城哲夫・千束北男
監督:飯島敏宏
レーダーに映った未確認飛行物体。自衛隊はすぐにその正体を突き止めるべくジェット機を出動させるが、2機とも撃墜された。
天野二佐は飛行物体との衝突事故だと報告するも、上層部の人間はそれを一笑に付す。全く相手にされない天野は解任されてしまう。
この事件の後、各地では人間消失事件が頻々と起こっていた。
毎日新報のカメラマン・江戸川 由利子もその消失の現場を目撃するが、上司の関デスクには取り合えって貰えない。
由利子から事情を聞いた星川航空のパイロット・万城目 淳と戸川 一平。一平は自らが読んでいる小説、神田博士著『2020年の挑戦』の内容に酷似していると主張するが、万城目はそれを否定する。
その後、セスナ機で天野と共に未確認飛行物体の出現地点を捜索する万城目だが、機内に出現した半透明の液体に触れ、自身も他の犠牲者同様に消失してしまう。
由利子の後輩も同様に消失し、液体に狙われる身となった由利子。
漸く事態を悟った関デスクは、切れ者のベテラン刑事・宇田川を彼女のボディガードとして招聘する。
もしも一平の主張通り、一連の出来事が『2020年の挑戦』の通りならば、例の液体はケムール人が操る人間誘拐の為の手段であり、その撃退方法は燃やすことだという。
宇田川刑事は由利子を狙う液体にタバコを投げ、消失させる。
そこへ現れたのは、この事件の首謀者でもあるケムール人。不気味な風貌に不敵な笑い声を上げる怪人は、夜の街中を疾走する。そのスピードには、パトカーも追い付けない。そのまま怪人を取り逃がしてしまう。
実は宇田川刑事は、神田博士と親友であった。神田博士はケムール人との交信を通じ、ケムール人という存在の正体と、その目的を知った。そしてそれを『2020年の挑戦』に書き記していたのだ。
ケムール人とは、2020年のケムール星に存在する宇宙人で、発達した医療によって500年の寿命を持つが、代わりに肉体は衰えてしまっている生物だった。
彼らは地球人の若い肉体に着目し、肉体の衰えを補うために若い地球人を攫っては2020年へ送っていたのだ。
それらをケムール人との交信記録という形で『2020年の挑戦』にしたためた神田博士だが、異常だと感じた宇田川刑事によって精神病院へ入院させられてしまったのであった。
その神田博士は、精神病院を既に退院していた。彼とコンタクトを図るべく、一平と天野は神田博士宅を訪れるが、時既に遅く、ケムール人によって消失させられた後だった。しかし、彼の研究記録までは消すことが出来なかったようで、その記録をもとに、ケムール人がXチャンネル光波に弱いことを突き止める。
一方、宇田川が目を離した隙に、由利子もケムール人に攫われてしまう。
だがケムール星へ送られた訳では無く、何故か遊園地に運ばれていた。
そこで待っていたのは、攫われた筈の万城目。由利子は再会を喜ぶが、笑顔を浮かべていた万城目の顔は次第に歪み、変形していく。ケムール人が化けていたのである。
駆け付けた宇田川の呼びかけで由利子は間一髪難を逃れる。
その後、警官隊が到着し、発砲されるケムール人。
銃弾を受けて絶命したかに見えたが、巨大化して夜の遊園地で暴れ始めた。
窮地に立たされる由利子、宇田川、警官隊。
するとそこへ、東京タワーから放射されたXチャンネル光波がケムール人の頭部に命中する。悶絶するケムール人は、頭部から例の消滅する液体を発射し、自らの体に浴びせながら消滅してしまった。
誘拐された人々も無事に解放され、万城目も戻ってきた。
だがケムール人が万城目に化けていたことを思い出した由利子は、逃げ出してしまう。
事情が分からず彼女を追い掛ける万城目を横目に、一件落着とばかりに笑みを浮かべる宇田川。
そんな彼の足元に、例の人間を消失させる液体が。
事件は既に解決したのだ。「大丈夫だろう」と冗談めかしてその液体を踏みつける宇田川。だがその液体はまだ効力を残しており、宇田川の体は次第に消滅してゆく。
完全に肉体が消失し、宇田川の悲鳴だけが辺りに木霊するが、それを聞く者はいなかった。
データ
続いてケムール人のデータです。
肩書:誘拐怪人
身長:1.9~30メートル
体重:40キロ~1万5千トン
出身:ケムール星
地球人を遥かに上回る身体能力と、人間に化ける変身能力を有し、巨大化も出来る。
チョウチンアンコウを思わせる頭頂部の漏斗状の器官から、消去エネルギー源と呼ばれるゼリー状の液体を放出する。それに触れた人間を消失させ、ケムール星へ電送する。
弱点はXチャンネル光波。ウルトラ怪獣で唯一、東京タワーに負けた怪獣。
(ピクシブ百科事典より)
感想
2020年の未来から来た宇宙人。ケムール人。
要するに彼は宇宙人且つ未来人という、非常にややこしい出自を持っています。
彼のグロテスクな風貌は小さい頃非常に怖かったのですが、今はキャラクタよりもストーリの方が怖いですね。怪奇性の強いエピソードで、音もなく忍び寄る液体からは逃れるのは困難です。液体に触れたらケムール星に送られてしまう。
サスペンス仕立てのお話しながら、ハッピーエンドで終わる…と思いきや、宇田川刑事だけは助からないオチ。
因みにケムール人は一応宇宙人という設定ですが、未来の地球人という説もあります。
まあエピローグで消失した宇田川刑事がケムール星に送られていたら、ケムール人の肉体として利用されていた可能性もあります。作中では攫った人間をどのように使って、肉体の衰えを補うのに使うのか言及されませんでした。もしかしたらケムール人の外見はそのままに、肉体の質だけ若返らせるのかもしれません。
老体で若くない宇田川刑事ですが、「まあ、こいつで良いや」と妥協した可能性もあります。そう考えると、作中で登場したケムール人は、実は宇田川刑事の成れの果てだった可能性も…?ゾクッとしますね。
本作は一平が活躍するのも見所です。
普段頼りない一平ですが、主人公の万城目が割と早めに退場するので、実質一平の活躍で事件を解決したと言っても過言ではありません。意外と読書家という一平の一面を垣間見ることが出来ます。そう言えば、「東京氷河期」や「地底超特急西へ」でも新聞を読んでいる描写がありますし、案外活字を読むのが好きなのかもしれませんね。
大体3人一組で行動することの多い万城目達ですが、このエピソードでは万城目が行動不能、由利子は宇田川刑事と、一平は天野二佐と行動する為、3人バラバラでいる時間の方が長いレア回です。
後に『ウルトラマン』で科学特捜隊のムラマツキャップを演じる小林 昭二さんがゲスト出演しているのも興味深いです。
それにしても、本作が放送された1966年には想像もつかなかった2020年がもう訪れてしまったのだと思うと、月日が経つのは早いですね。
順番はなるべく放送順にしたいですが、内容は長短様々になるかと思います。
思い入れや好みによって記事を書く熱量も変わりそうでして。
まあ良いや。
新年最初の記事は「謹賀新年の挨拶」にするのが筋だとしても、やっぱり2020年だし、どうしてもその次の記事はこの話題にしたかったのです。
2020年もケムール人ともち太郎をどうぞよろしく。
では、またね~。