もち太郎の副業ブログ

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【話題の映画】『緋色の弾丸』を観た感想。【ネタバレ】

お題「ゆっくり見たい映画」

 

こんばんは、もち太郎です。

毎年のことですが、月初は忙しいのでゴールデンウィークなんて無いに等しいです。

しかし辛うじて1日か2日休みが取れるので、5月の連休中に『名探偵コナン』の劇場版を観に行くのが、社会人になってからの恒例行事になっています。

純黒の悪夢』にはじまり、『から紅の恋歌』『ゼロの執行人』を劇場で観ました。

『紺青の拳』は劇場どころか未だに観ることが出来ておらず、昨年はコロナの影響で映画自体が公開延期。

2年ぶりに劇場に足を運びました。

今回は『緋色の弾丸』の感想を綴りたいと思います。

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今作のあらすじ

江戸川コナン毛利小五郎毛利蘭少年探偵団は、4年に1度開かれるスポーツの祭典「ワールド・スポーツ・ゲームス (WSG)」の東京開催を祝して催されたスポンサーたちのパーティーへ、スポンサーを務める鈴木家のコネで参加するが、会場が突然停電し非常灯が点いた時には園子の父・史郎の姿が消えていた。停電中に青白い火花を目撃したコナンは、鈴木会長はスタンガンで気絶させられ拉致されたと推測し、犯人が会長の身柄を連行するために食事を乗せていたカートを使用したため、元太が食べ物の匂いを辿って無事に会長を発見する。しかし会長には拉致される前後の記憶がなかった。

捜査にやって来た目暮たちによると、同じくWSGスポンサーである三塚製菓会社の社長の身にも同様のことが起きていたという。コナンは、15年前アメリカでも同様にWSGのスポンサーが拉致される事件が起きており、3人目の被害者は殺害され、FBIによって解決したことを知る。FBIとして事件を追う赤井秀一から捜査協力を頼まれたコナンは、WSG東京のために建造された「真空超電導リニア」が発車する名古屋で次の事件が起きると推理し、3人目の標的と目されるジョン・ボイドを護衛するため園子のツテを利用してリニアの体験乗車に参加することを決める。一方、MI6から密命を帯びていた世良真純メアリー・世良も、名古屋へ行く計画を立てていた。また、羽田秀吉は名古屋での仕事がてら宮本由美をデートに誘い彼女を家族に紹介しようとしていた。コナンは、ジョンから事件の調査を頼まれた小五郎と蘭、灰原と共に名古屋を訪れ、赤井や真純と協力して犯人を探し出そうとするが、そこには用意周到な犯人の罠が待ち受けていた。

(Wikipediaより引用)


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赤井一家と世界規模のイベント

劇場版24作目となる今作は、FBI・赤井 秀一とその一家にスポットを当てた作品です。

赤井は過去にも『純黒の悪夢』で登場していますし、妹の世良 真純も『異次元の狙撃手』でメインキャラクターを務めていますが、母親のメアリーと赤井の弟・羽田 秀吉がスクリーンに登場するのは今作が初めてです。

赤井一家が初めて一堂に会するというのが今作の目玉なのですが、それに加えて注目したいのが、世界規模のイベントである『WSG(ワールド・スポーツ・ゲームス)』です。

現実で言うところのオリンピックに該当し、オリンピックと同じく4年に一度開催されるスポーツの祭典。

WSGが日本・東京で開催されるというのが今作の舞台設定なのですが、これによってメアリーの所属するMI6や赤井の所属するFBIが事件に関わる理由づけになっています。

作品に於ける宿敵である”黒の組織”が関わる案件でなければ、各国の諜報機関が動き出すことはなさそうですが、世界的に有名なイベント絡みの事件となれば話は別です。

そりゃFBIもMI6も動くわ、と納得させられます。

更にはWSGの会長を元FBI長官に据えたことで、赤井やその同僚のジョディ・キャメル・ジェイムズらが捜査するきっかけにもなっています。

現実でも東京五輪の開催が予定されていることと絶妙にリンクし、赤井一家が活躍するのに十分なシチュエーションが生まれています。

 

多数のキャラクタの見せ場

今作はコナンと赤井一家がメインで、他の登場人物については出番は控えめです。

例えば目暮警部や高木・佐藤刑事といった警視庁組は、序盤とラストしか出番がありません。そもそも本作は殺人事件が起きない(過去にアメリカで起きた射殺事件は描かれますが)ため、警察サイドの捜査パートがないんです。

しかしながら、序盤で鈴木 園子の父親・鈴木 史郎会長が拉致される事件が起き、その捜査の為現場に駆けつける、というシーンは描かれます。

度々事件に首を突っ込む少年探偵団の面々も、今回は殆ど絡みません。

警視庁組と同じく、序盤の鈴木会長拉致事件が活躍のピークでしょうか。

団長の元太が警察犬並みの嗅覚を発揮するという人間離れした長所を見せて、無事に園子の父親を発見するという見せ場はあります。しかし、探偵団の活躍はここまでで、それ以降は物語に絡みません。

てっきり事件の鍵である真空超電動リニアに乗車すると思ったのですが、リニアに子供達を乗せるのは危険と判断したコナンの策で、早々に物語から離脱します。

更に探偵団の保護者的存在の阿笠博士や園子もここで退場です。

実際にリニアの体験乗車に参加するのはコナンと蘭、小五郎、灰原だけです。

このメンバーで乗ったリニアの中で事件が起き、その捜査をするのだろうな…と思いきや、リニアに乗る前の健康診断の最中にトラブルが発生し、小五郎やヒロインの蘭や理解者の灰原は、中盤で退場します。

コナンだけが犯人を追跡し、赤井と連絡を取り合いながら捜査を進めていきます。

そして世良と合流し、二人で終盤の解決パートへと向かうのです。

 

”ムダ”を削ぎ落したストーリー展開

名探偵コナン』は、レギュラー・準レギュラー合わせても相当なキャラクター登場する作品です。今作に登場するメインキャラも、コナン、毛利親子、警視庁、少年探偵団、園子や阿笠博士、FBIと、描かなければならない登場人物が大勢います。

更に、今作では赤井一家に焦点を当てなければいけない。

となると、赤井一家の活躍を描くためには、他のキャラクターの尺は邪魔なのです。

厳しい言い方になりますが、少年探偵団や警視庁らを事件に絡めるのは”ムダ”以外の何物でもない。

今回思い切りが良いというか、英断だと思ったのは、ヒロインである蘭や灰原すらも途中で切り捨てたことです。

蘭は兎も角灰原も同行しても良かったのではと思いますが、コナンと連絡を取り合うことだけに徹し、コナンは赤井や世良との共闘に注力します。

推理要素を廃した『純黒の悪夢』や警視庁組の出番を廃した『から紅の恋歌』のように、昨今のコナン映画はそれまでお決まりだった要素を廃することで新たな展開を生んでいる様に思いますが、今作ではとうとうお馴染みのキャラクターやヒロインすらも廃することで新境地に達したと言えるのではないでしょうか。

 

別々の視点で起きるイベント・事件

話の本筋はWSGのスポンサーを狙った拉致事件で、コナンはその捜査のためにリニアの体験乗車に参加したり、赤井と連絡を取り合います。

では他のキャラクターは何をしているのでしょう。

FBIは赤井と連絡を取り合い、少年探偵団と博士・園子は芝浜駅近くの広場で仮面ヤイバーショーを観に行きます。

中盤で離脱した蘭と灰原は新幹線で東京・芝浜駅を目指し、小五郎は新幹線から降りた犯人を追跡、佐藤・高木刑事と合流します。

そして秀吉は恋人の由実と名古屋でのデートを楽しみます。

一見それぞれのキャラクター・陣営が別々の行動をとっている様に見えますが、それら全ての展開がクライマックスで昇華していくのです。

名古屋で弟・秀吉と合流した赤井は、彼の作戦をFBIに伝えます。

FBIのキャメルは見事なドライビングテクで犯人を追跡、ジョディも秀吉の作戦通り待ち伏せします。

灰原は新幹線の中からコナンに指示を送り、探偵団達はリニアの衝突するであろう芝浜駅で大混乱に巻き込まれます。

名古屋と、リニアの終点である芝浜駅、二つの地点で大勢のキャラクターが合流する訳です。

無駄な人物描写を廃しながらも、きっちり全員を事件に絡めていく手法は見事としか言いようがありません。

 

さり気なく描かれる日常

物語の序盤、小五郎が食事中に味噌汁を零すシーンがあります。

彼はちゃんとそのことを詫び、汚れたシャツを持って食卓を後にします。

娘の蘭に料理を作らせ、それが当たり前になっていないことを象徴する描写です。更に、自分の不注意で汚したものはちゃんと片付けます。

酒とギャンブルに目が無く、女好きで推理もポンコツな探偵、というのが普段の小五郎のイメージですが、父親としてしっかりした姿も見せるのがグッときます。

リニアの乗車チケットが限られた枚数しかなく、探偵団に譲る園子の優しさ。

元太のうな重好きが鈴木会長発見に繋がるのも、キャラクタの特徴を活かしています。

やたらと灰原が耳にかかった髪を掻き上げる仕草が多いのは、女性監督ならではの演出でしょうか。

 

個人的な見どころと疑問点

灰原が好きな僕としては、コナンのパシリになりながらも、しっかりアシストする姿が魅力的でした。

初期のミステリアスな性格の方が好きなのですが、献身的にコナンをサポートしたり、他のキャラクターとも彼女なりに絡むアクティブな姿もまた良い。

好きなサッカー選手の比護のストラップをスマホにつけているのも、年ごろの女の子っぽくて可愛いです。

また、元化学者だけあって、化学分野における知識はコナンより優れて良そうなのも良かったです。

一方で疑問なのが、中盤世良と沖矢が格闘するシーン。この展開いるのか?と思いました。

また、リニアに乗り込んだコナンが「新一兄ちゃんから聞いた」という体で推理を披露し、犯人を追いつめますが、少し目立ち過ぎではないかと。

からしてみればコナン=新一の疑いは深まるだろうし、リニア体験乗車の一般参加者からしたら「メチャクチャ有能な小学生がいる」と騒ぎになってもおかしくありません。

作中、秀吉が名古屋を訪れていることがSNSで呟かれていましたし、コナンのこともSNSで拡散されていても不思議ではないでしょう。一応キッド絡みで新聞に載ったこともありますが、その一件と今回の件で「有能過ぎる小学生」として話題になってしまうのでは。

正直、黒の組織の目に留まっても文句を言えない活躍なので、違和感ありまくりでした。

 

まとめ

コナン目立ち過ぎという多少のツッコミどころはあるものの、2年ぶりに劇場で観たコナン映画は楽しめました。

正直、昨今のアクション重視の風潮は嫌いなのですが、その嫌悪感を帳消しに出来るくらいストーリーにハマれました。

コロナ対策をして、是非観てみて下さい。

 

では、またね~。